「マージナルマン」のそれぞれの学問での用法

「マージナルマン」といえば境界人と訳され青年期を表す心理学の用語として広く知られている。こう使ったのは心理学者のレヴィン。「子供じゃないけど大人でもない!」という所属が不明確な青い時期を指し、ブルーハーツなんかの青春パンクのテーマにもよくなっている。

ところでこのマージナルマン、学問分野によって違った使われ方がされる。

史学(日本史)では倭寇を指す。
倭寇をマージナルマンと呼んだのは、中世史家の村井章介倭寇を構成するのは日本人・中国人・朝鮮人と様々で、その活動範囲は国家の枠組みを越える。このように倭寇は「海」をクニとしたことから、彼らを「境界に生きる人々」とした。倭寇を「〜人」とくくるのはナンセンスだと言いたいのだろう。

経済学ではマージナルマンがまた違った意味で使われるが、ややこしくなるので割愛する。

元を辿れば社会学者のロバート・E・パークが創った造語。これが様々な学問に応用されていて中々おもしろい。
社会学から心理学・史学・経済学、学問領域を横断して使われるマージナルマンはなんともキャッチーな言葉です。